システムを整える2種類のフィードバック・ループ

諸法無我 システム思考
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こんにちは、いきいきゴエス協会の代表理事 ゲンキポリタンです。

お釈迦様が言われたように、私たちはひとりひとりが入ること(ストック)も出ること(フロー)もできない「一人一宇宙」というシステムでありながら「すべては繋がっている」システムです。

繋がることでダイナミックなストックとフローが起こります。

ここでは、ストック&フローに関連してフィードバック・ループについてお話します。

システム

川

システムとは、いろんな要素が川の流れのようにつながり、相互に作用しあっています。

源泉から湧き出た一滴の透明な水をすくえば無色で、石の上に落とせば消えてしまします。これではシステムとはいえません。

ところが、川を流れていくと、周囲の景色を映して色に染まり、川の色を創り出しているかのようです。空が晴れた日に美しくブルー、山を通るときは緑、曇った日は灰色になります。水は人体をはじめあらゆるシステムに欠かせず、ダイナミックに影響を与えあいシステムとして機能しています。

さらに水は川を行き、海に出て、天に上り、一滴の水となってループします。

バスルームのシステム思考

バスルーム

お風呂に入るとき、入ってくる水と出て行く水を調節します。排水口の栓をして、このくらいがいいと思う湯量までお湯を溜めます。期待する量に達すると蛇口を溜めます。湯船を利用する段階で、自分の身体でお湯が溢れそうになるとお湯は溢れだします。

慣れた浴槽だと自分もシステムの一部になって適切な位置で止めることができますが、ホテルなどの浴槽では失敗もやらかします。

このように「実際のシステムと目標の間」には、情報というフィードバックがあり、フィードバックによって、行動のコントロールを可能にしています。

フィードバックも繋がりの一部であり、これを「フィードバック・ループ」と呼んでいます。

ケロリン

フィードバック・ループ

フィードバックを人体にあてはめると、血圧、脈数、体温などが身近にあり、天候には、気温、気圧、風速などがあり、人間の行動と影響しあっています。

システムは縁起に満ちていて、道理の重要さを教えてくれます。

フィードバックは、自らの行動に関する情報をリアルタイムで提供します。道理に従えば、行動を変えるチャンスになり、より良い行動へと向かわせる力があります。

お風呂は、システム思考を考える上で、ワクワクに満ちています。カビや湿気など、お風呂を汚さないフィードバック・ループが小さな空間に溢れています。

2種類のフィードバックループ

フィードバックループは次の2種類に分けられます。

  • バランス型フィードバックループ:悪い習慣を抑えるために使える。
  • 強化型フィードバックループ:良い習慣を伸ばすために使える。

バランス型フィードバックループ

たとえば、「現在の体温、血圧」は典型的な「バランス型フィードバックループ」の事例になります。
血圧が高い理由は睡眠不足になり、睡眠不足の理由は仕事の効率が悪かったためだ。効率が悪いのは準備不足だというように、見えていなかった悪い習慣の発見に突き当たる場合もあります。

悪い習慣を制御し、良い習慣を育てるために、バランス型フィードバックループをどう運用すれば良いのか事例を紹介します。

運動不足を防止して、パソコンの前で過ごす不健康な時間を減らすには?

スマホにタイマー(ListTimerなど)をダウンロードして、30分刻みで音で通報してくれるように設定します。

このように、バランス型フィードバックループは悪い習慣を弱めるアプローチをするのに効果的であり、もう一方では非生産的な行動(不健康な行動)を止めるようにアプローチします。

自己強化型フィードバックループ

自己強化型フィードバックループは、特定のシステムやプロセスの作用を強化します。これらは、自らの行動を強化することで、良い習慣を作り、パフォーマンスの最大化を支援してくれます。

もっとも解りやすい事例は「金利」つまり「複利」です。
最初に1,000円があり、毎年10%の利息がつくと仮定します。
1年後、あなたが持っているお金は1,100円になります。
次の年は1,100円に10%がついて、1,210円になります。

このサイクルを続けていくと、複利はどんどん大きくなります。この当たり前の事実を認識していると、無駄遣いはやめようという気になります。自己強化型フィードバックループの典型的な事例です。

フィードバックループを作る方法

以上、簡単な事例ですが、すでにおわかりのようにフィードバックループを作るには、以下の3つのステップが必要です。

計測

計測はあらゆるフィードバックループの基本です。1つのサイクルの出力(フロー)が、次のサイクルの入力(ストック)になります。ストックするほど信憑性は高まります。

比較

計測をしただけで意味を持ちませんが、血圧や体重で解るように「標準」と比較することで健康か、不健康か考えるデータになります。それが一時的なものか、継続的なものか、これもストック&フローで比較の信頼性が高まり、対策が容易に検討できます。

調整

なにをどうしたいのか目標を持つことが重要です。目標があることで調整は迅速に行うことできるのでフィードバックループを短期で閉じることが可能になります。「長期の行動を変える最良の方法は、短期のフィードバックをもつことである」パーミッション・マーケティングの提唱者、セス・ゴーディン(Seth Godin)氏の言葉があります。

ゲンキポリタン(一般社団法人いきいきゴエス協会)

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