競争優位な体質を作る「共有ビジョン」

リーダーシップ
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人はどうして知り得たのか、社会生活を営める程度に、ほとんどのことを知っています。
その知識は必ずしも正しいとは言い難いが、それでも暮らしていけます。

どのようにして学んだのでしょう?親が教えたから?先生から学んだから?

幼児に学び方を教える必要はありません。
何も教えなくても、家じゅうを走り回るのもひとりでに覚えてしまからです。

実際、漫画しか読んだことがない青年が会社を興した事例もあります。

ここでは、「競争優位な体質づくり」について考えます。

間違った「習熟」を進めてしまうメンタルモデル

トレーニングで体を炒める人たちはご用心

スポーツジムで見ていると、間違ったトレーニングを続けた結果、体に支障をきたして退会する人が少なくありません。

「なぜ注意してやらないの?」とスタッフさんに尋ねると、「怒るんですよ、だから黙っています。聞いて来る人にはアドバイスしますよ」

決して横柄なわけでありません。
会員さんの思い込み(=認知の歪み)がアドバイスを受け付けないのです、
その裏には間違ったプライドがあります。

認知の歪み

潜在意識

認知の歪み(Cognitive distortion)とは、極端に大袈裟で非合理な思考パターンのことです。思い込みがアドバイスを拒絶し、間違ったトレーニングで身体を痛めるとは偶然のように見えますが、身体を痛めるために思い込みが働いているとしたらどうでしょう?

つまり認知の歪みは、幼児が人生の結末に向かう羅針盤に使い、繰り返すことで、結末を揺るぎないものにしています。

固定化されたメンタルモデルが、競争力を育てない道具になっていると思いませんか?

認知の歪み10の事例

認知の歪み

主な認知の歪みには、以下のものがあります。

  1. 全か無か思考(二分法的思考〜all-or-nothing thinking)
  2. 般化のしすぎ(overgeneralization)
  3. 心のフィルター(mental flitar)
  4. マイナス化思考(プラスの否定〜disqualifying the positive)
  5. 結論への飛躍(jumping to conclusions)
    • 心の読みすぎ
    • 先読みの間違い
  6. 拡大解釈(破滅化)と過小評価(magnification and minimization)
  7. 情的決め付け(emotional reasoning)
  8. べき思考(should statements)
  9. レッテル貼(labeling and mislabeling)
  10. 個人化(責任転嫁〜personalization)

これは競争優位な体質をめざす組織にとっては、頭の痛い問題ですね。

競争優位な体質づくりに欠かせない「共有ビジョン」の体験

気骨が生れる場所

人は何らかの時期に、仲間で力を合わせて成し遂げる活動を経験できると、歪みを正すチャンスを得ることができます。

組織には、体験した人もいるし、そうでない人もいます。それらはほとんど偶然ですが、意図的に作り上げることも可能です。

そして一度、体験すると、あんな体験をもう一度味わってみたい、と思うことが自己マスタリーを身に付けたいという想いへ誘導できます。

そのはじまりが「共有ビジョン」を体験することです。

共有ビジョンは書くものでも話すものでもない

共有ビジョン

ある会社では、トップが管理者数人に「共有するビジョンを作れ」と指示し、でてきた内容が、ほとんど労務改善に等しい内容だったことに唖然としたという事例があります。

トップのやりたいことが実現できているのが良い会社だと思いますが、やりたいことが「金儲け」だけというなら、トップのメンタルモデルに疑問符がつき、「ブラック企業」の烙印を押されても仕方ないのかも知れません。

そのような会社にあっては、自己マスタリーはどこ吹く風、採用も思うようにいかないのは当然なのです。

採用はどうしたら良い、売上を伸ばすにはどうしたら良い?と悩む前に、共有ビジョンを体験、あるいは再体験することが肝心なのです。

成長の10ステップが用意されているか

成功の10ステップ

共有ビジョンを体験する物語は、成長の10ステップで語られます。

  1. 採用
  2. 歓迎
  3. 配慮する
  4. 育てる
  5. 触発する
  6. 語りかける
  7. 傾聴する
  8. 感謝する
  9. 祝う
  10. 分かち合う

この祝い、分かち合える日までの物語を会社ぐるみで展開できるところは少ない。
「こんなものでしょう」という思い込み(一般化のしすぎ)が蔓延しているからです。

「競争優位に立つ」とは「フツーじゃない」ということです。

まとめ

ある会社は、業績が芳しくない時期には、同業他社の給与を含めて労務面への関心が強くありました。業績が良くなると、改善が進みました。大変喜ばしいことですが、それで企業風土が変わったわけでもありませんでした。

自己マスタリーを育む学習する組織風土を作ろうともしませんでした。学習しない組織は業績が悪化するのも簡単でした。

共有ビジョンを形成する努力がなかったのです。
なにを共有ビジョンにするべきだったのでしょう?

「幸せのあり方」では、なかったのでしょうか。
それはステークホルダー全員に及ぶことです。

ファイナンシャルプランニング

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