安全基地を持った無邪気な子どもの心は、違いの出る違いに発揮されます。
何度も取り組んだことなら全体像がつかめているので、効率的な進め方ができます。
経験のないこと、浅いことでは進め方で苦労します。
次に示す事例は、同じことに取り組む場合に違いのでる違いを表しています。
AタイプとBタイプを比べてみてください。
あなた及びあなたのチームなら、どちらがどうでしょう?
繰り返し発生する事象を「人間」のせいにしないでください。これ、鉄則。
チームの学習能力を最大限引き上げる
シングルループ、ダブルループ、トリプルループ学習にみる違いの出る違いはこうして日常になっています。
A.テキストを最初から順番に読んで学習する
B.まず調べ方を習得して、学ぶポイントの順番を決めて学習する
A.全体の底上げを心がけて、満遍なく勝てるように習得する
B.得手不得手の見極めをして、勝ち方のメリハリをつけて習得する
A.一人でコツコツ勉強をする
B.グループワークで友人のフィードバックから学ぶ
A.答え合わせをして終わる
B.答え合わせをした後、間違った箇所をもう一度トライする
AとBを比べてみてください。明らかにBの方が効果的ですよね。
どんな勉強にも「戦略」があります。
どんな場合も結果を目標にしますが、目標を達成する方法を学校は教えません。
さらに、「なぜ」を考えるとより深まり本質が見えてきて、まったく違うことに触れることができます。
YouTubeや会社では、目標を達成する方法を教えてくれます。
How Toをオープンに伝えるYouTubeでは閲覧数が増えます。
ただしWhy(なぜ)がないと本質を伝えることができません。
本を開いて読む、個人でテストを受ける、勉強と評価のために学ぶ時代は終わっています。チームが学ばなければ組織は育ちません。
学びも仕事もストレスでなく楽しみながら入ってくることで自分の血肉になります。
カジュアルでアクティブ、これでOKというゴールはなくエンドレスにリーダーシップを実践できる場所でなければ意味がありません。
創意工夫する学習
ダブルループ学習・トリプルループ学習とは、『組織学習』において既存の枠組みを捨てて新しい考え方や行動の枠組みを取り込むことです。
1978年、アメリカの組織心理学者クリス・アージリスとドナルド・ショーンが学習の仕方について提唱した概念です。
学習の仕方について社会力と表現力を発揮してアクティブに創意工夫する人は、そうでない人に比べ大きく成績を伸ばすことを証明しました。
能力が同じでも能動的に創意工夫することで差がでることは楽しみを増幅しリーダーシップを育てます。
3つの学習の違い
- シングルループ学習は、ルールに従うことです。
- ダブルループ学習は、ルールを変更することです。
- トリプルループ学習は、学習方法を学ぶことです。
大きな壁は回り道をして越えるのがもっとも早いやり方に通じます。
シングルループ学習
シングルループ学習は、問題とその解決策が主に自分の行動を優先的に検討しています。
この方法は、多くの場合、「なにをするか」という手順またはルールが選択され、ほぼ無意識な信念や仮定を必ずしも調べたり挑戦することなく、物事を行います。
その上で、過去に何が機能したか、何が機能しなかったかに古い習慣に基づいて、特定の習慣的な動作、行動に小さな変更が加えられます。
人は経験から最も多くを学びますが、重要な決定の場合はたいてい、その帰結を直接には経験しないものです。
そのため自分の行動を優先的に検討することは致命的な失敗につながる危険を伴っています。
ダブルループ学習
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ダブルループ学習は、どのように解決するか、洞察力を機能させます。
ダブルループ学習では、私たちは、仮定の枠組みの中で私たちの行動を検討しています。
ダブルループ学習では、人々が自分自身の観察者となり問いかけます。
「ここで何が起こっているのですか?パターンは何ですか?」
パターンを理解するには、経験を超えた「どのように?」に繋がる、この洞察が必要です。
意思決定の方法を変更し、想定の理解を深めます。
ダブルループ学習は、組織の機能や構造の再設計などの主要な修正または変更で機能します。
私たちは正しいことをしていますか?これが機能する理由、つまり洞察とパターンです。
トリプルループ学習
トリプルループ学習には「因果」という原則が含まれます。
学習は洞察とパターンを超えて因果の文脈に通じます。
その結果、私たちの文脈や視点の理解に変化が生じます。
学習しない学習にはこれがありません。つまり違いが出る違いが生じないのです。
トリプルループ学習は、新しい取り組みと学習方法を生み出します。
時間と空間によって大きく隔てられている場合でも、問題と解決策がどのように関連しているかを理解する必要があります。
また、以前の行動が現在の問題につながる因果関係をどのように作成したかを理解することも求められます。
組織は学習方法を学習するため、組織構造と行動の関係は根本的に変更されます。
この学習の結果には、目的を理解して変更する方法の強化、環境への対応方法の理解の深化、そして私たちが行うことを選択した理由の理解が深まることが含まれます。
組織は、シングルループ学習だけでは環境に適応しながら生き残っていくことは難しい時代にあります。
過去の成功体験における固定観念を自ら破壊し、外部から新しい知識や枠組みをダブルループ学習、あるいはトリプルループ学習し、それをまたシングルループ学習によって反復・強化していきます。
このサイクルを繰り返し継続できる組織だけが競争優位を保ち続けることができると言われています。
人を責めてもなんの解決にもならない
わたしたちは、ことがうまくいかないと、「あの人が悪い」「私が悪い」と考えがちです。
これは、「従順な子どもの心が強い人」には、とても馴染みやすい感情だし、解決方法です。
しかし現実にはなんの解決方法になりません。また「従順な子どもの心が強い人」には思わぬプレゼントになります。ますます、従順な子どもの心が強くなるばかりで、反省になることもなく、人生脚本を強くするだけです。
責める人も同じです。厳格な父親の心が強い人は責めずに要られませんが、彼らもその傾向を強くするだけで、実際には何の解決にもなりません。
視点を変えるとは自分の固定的な視点から抜け出すことです。しかし認知の歪みを強化するだけになります。思いつきのように相手の立場になって視点を変えても本質的な変化を起こすことはできません。「人間」という枠組みにとらわれている点では同じだからです。
人が失敗するのは、使う道具に間違いがあると考えると、道具探しに集中でできます。違う表現をするなら視野が広いという言い方もできます。
まとめ
シングルループ学習とは、すでに備えている考え方や行動の枠組みにしたがって問題解決を図っていくことです。
ダブルループ学習、さらにトリプルループ学習とは、既存の枠組みを捨てて新しい考え方や行動の枠組みを取り込むことです。
シングルループではA=Bですが、ダブルループではA=Fになり、トリプルループではA=Yになります。シングルループでは解決しないことがトリプルループでは解決する。これがシステム思考です。
つまりシステム思考とはトリプルループをシングルループにすることです。これがリーダーシップの本質にできるチームが違いが出せるチームになります。
繰り返し発生する事象を「人間」のせいにしないでください。これ、鉄則。
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