目標を達成するために、リーダーの仕事、つまりリーダーは部下を使って仕事を進めます。
その際、個人個人、部下の能力が違うので、どの部下にどれくらい「具体的な指示」や「人間的な配慮」をするのか、自律したチームづくりの上で配分のバランスが重要になります。
能力・意欲が低い社員への対応
最終的には自律した人材を育て、自律したチームを作ります。
大きく分けて能力・意欲が高い人と、能力・意欲が低い人に分類します。
正しくは
- 能力が高く意欲も高い人
- 能力は高いが意欲が低い人
- 能力は低いが意欲は高い人
- 能力も低く意欲も低い人
に分類されます。
能力・意欲が低い場合、例えば新入社員に対しては、人間的な配慮の上に成り立つサポート支援的な行動をするより、具体的な指示をどんどん与えた方が効果があります。
新入社員の離職率が高い会社の場合、具体的な指示を出さないことが多いようですが、その理由として、「人間的な配慮」を重視していると説明されます。
これは経験によって対応を変える必要があります。
たとえばプロスポーツでも、実績のない選手にはサイン(指示)で動かしますが、実績のある選手には「自分の判断で動け」と任せます。
やる気のマネジメントをしているわけですが、目的は「勝つ」ためです。
勝つためにチームワークで臨んでいるのです。
チームワークの基本は自分の役割を果たせることです。
自律までの10ステップ
入社してきた社員が自律的に自ら率先して動いてくれたら、言うことはありません。
実際にいたとしても、価値観が違う状態で、自ら動くとしたらいつかトラブルの種になるのではないかと不安になります。
トップの想いを知って共有してもらうには、相応のプロセスが必要です。
それが自律までの10ステップとして下記に書いたものです。個人面談で触発できるところまで行きたいものです。
- 採用する
- 歓迎する
- 触発する
- 語りかける
- 傾聴する
- 感謝する
- 育てる
- 配慮する
- 祝う
- 分かち合う
縦の関係
新入社員には、能力不足があります。だからダメだというのではなく能力不足を本人が補えるようになるまで、周囲が具体的な指示を中心にサポートをすることで、本人が役割を果たせるようにするということです。
ただし、具体的な指示を中心にサポートに、能力不足を本人が補える行動を積まないと、いくら指示しても能力の向上にはなりません。
つまり、個人個人の能力の現状をリーダーが知ることが大事ですが、本人も知る必要があります。その上でやる気が失せないように人間的な配慮をする必要があります。
横の関係
さらに、リーダーが現状を知っても、部下は他の人がどの程度の能力か知りません。
そこで同期であっても、リーダーの対応が違うと、リーダーに不信感を持ちます。
そのまま放置すると依怙贔屓されていると勘違いします。
本来の仕事に集中させないロスを作ってしまうことになるばかりか、生産性にも影響し、人間関係をこじらす原因にさえなりかねません、
負の連鎖が起こらないようにし、本来の目標に向かってチームが進むようにするには、個人個人の能力を知っただけではOKにはなりません。
チームの関係
チームが活気づくには、個人個人が活気づかなければ、単なる情緒的に終わってしまいます。チームは個人の集積なので、それぞれの部下ごとに目標が必要になります。
部下の能力に応じて目標を設定し、達成に不足する能力を共有する必要があります。
個人面談
このときに、個人個人との間で面談を行い、トップの想いを共有します。
部下の現状をさらに把握し、目標を設定し、達成方法を考えさせ、能力の現状と不足する能力を語らせ、補充する方法を語らせます。
傾聴して、自分の意見を伝え、どう感じたか、共感できるまで、お互いが話し合います。
そのときに、機嫌の確認もしておき、必要なサポートを語らせます。
合意できる点を見つけたら、計画書として提出。
受け入れたならサインをして本人にフィードバックして、共有します。
まとめ
「触発」に似た言葉に「感化」があります。
どちらも、相手の影響を受け、何らかの変化を起こすということです。
異なるのは、「感化」が相手の思いに沿ったことになるのに対して、「触発」は相手の思いに反したり、あるいは越える結果になることもある点です。
つまり主体性に違いがあります。
どちらのエネルギーが強いのか、自分から火をつける「触発」の方がエネルギーがあります。
個人面談がいかに重大で、どのような結果に導くか。
リーダーがさらに学ぶ必要があるということです。
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