テレワークうつが増加しています。
その本質は「情報過多」による自分をマネジメントできないことがあります。
どんどん情報を収集してしまい、エンドレスに働いてしまう弊害です。
テレワークうつによって、「シゾイド(スキゾイド)パーソナリティ障害」が引き起こされることが解ってきています。
自分が潰れてしまわないように、持続可能な自分を取り戻すために、どうすれば良いのか?いま私たちが、もともとのいのちからどんどん遠のいていることに、どの程度きがついているのか、対策を考えます。
スキゾイドパーソナリティ障害とは?
スキゾイドパーソナリティ障害、シゾイドパーソナリティ障害(Schizoidpersonality disorder: SPD)とは、統合失調質と呼ばれていた病気で、他者と共感的で親密な関係を持とうとしない社会的関係への関心の薄さ、感情の平板化、孤独を選ぶ傾向を特徴とする人格障害です。
「シゾイド(スキゾイド)パーソナリティ障害」は自閉症スペクトラムと重なっている場合が多いと言われています。
従来は分裂病質人格障害(ぶんれつびょうしつじんかくしょうがい)、統合失調質人格障害(とうごうしっちょうしつ- )、統合失調質パーソナリティ障害とも呼ばれていましたが、呼び名が変わって、「シゾイド(スキゾイド)パーソナリティ障害」になりました。
そもそもの原因は、生まれ持った資質の弱さ、発達のアンバランスさ、親からの虐待やネグレクト、母子関係の愛着のこじれ、育児、医療、学校や社会でのトラウマが影響していると考えられています。
シゾイド(スキゾイド)パーソナリティ障害に陥った原因は、正しいことを強要され、過剰な支配を受け続けるとトラウマになり、他者と関係を深めることから回避しようとします。仕組み的には整合性のある結果です。
もっとも心理的に親密な大切な人との間で、愛着関係が安定すると障害も修復されます。
過剰に責任感に押し潰されないように息抜きをすることがテレワーク鬱にならないコツです。
自分の声すら聞くことができない情報量と向き合う日々
現代社会では、毎年10兆テラバイトを超える情報が生み出されているそうです。
この量は、すべての本の情報量の1,000万倍以上に相当する情報だそうです。
1bitが情報の最小単位、1Byte(=8bit)はコンピュータで処理する情報の最小単位です。
1,000(103)倍ごとにKB、MB、GB、TB…と増加していきます。
- 1Byte(バイト) 8bit
- 1KB(キロ・バイト)・・・1,000Byte(バイト)
- 1MB(メガ・バイト)・・・1,000KB(キロ・バイト)
- 1GB(ギガ・バイト)・・・1,000MB(メガ・バイト)
- 1TB(テラ・バイト)・・・1,000GB(ギガ・バイト)=一兆バイト
- 1PB(ペタ・バイト)・・・1,000TB(テラ・バイト)
1テラバイトは1兆バイトに相当するわけで、10兆テラバイトとは、その10兆倍。
まさに天文学的な情報量です。
ところが、人間の脳が処理可能な情報は、どんなに頑張っても一秒間に126バイトが限度だといいます。
この最速スピードで一睡もせず情報処理を行なったとしても処理できる情報量は、4ギガバイトに届きません。ちなみに、新書一冊分がおよそ200キロバイト程度ですから、4ギガバイトは、2万冊分に相当します。
これだけの冊数を読むのは不可能です。
しかし、これが映像となると、話が違ってきます。
たとえば2時間の映画の量はおよそ2メガバイトです。
4ギガバイトは、その2,000本分の作品数に相当します。
一年でこれだけの本数を見るとするなら、1日6本見ることになります。
起きている間、映画を見続けることになります。
この場合、一年に2万冊の本を読むよりは現実的で、睡眠時間も確保できます。
ネット情報が文字から映像に変遷していくのは個人の脳が限界処理する上で当然だといえます。
それでも、他の多くのことを犠牲にする必要があるから、かなり苦痛を強いられます。
今日では、一日の半分以上を、画面を見て過ごしている人は、かなりの数、存在しているようです。
脳の限界処理にチャレンジしているような状況ですが、実際には高齢者が垂れ流しにしているのが主たるスタイルで、積極的に情報収集をしているわけではないようです。
それでも、このような状態では、自分の声すら聞くことができないので認知症に陥る、進んでしまうのは自明の理でしょう。
人がマインドコントロールを受けやすいのは、情報が過剰に与えられている状態か、極度に不足している状態ということが、研究によって明らかにされているそうです。
つまり情報が過剰に与えられている状態とは、極度に不足している状態ということができます。
すでに私たちは映画『マトリックス』が描いたコンピュータの奴隷になっているのです。
自分の声が聴こえますか
自分の声すら聞こえないのですから、自分で考えることができません。
適度な情報負荷の状態におかれてはじめて、人間の脳は主体性を維持し、バランスの良い判断やスムーズな情報処理が可能なのです。
思考には空きスペースが必要なのです。
さて、最大の問題は、人間が人生100年ライフを豊かに生きようとしたら、ワークシフトは欠かせず、学習をルーティンワークにすることは避けられません。
情報処理能力を飛躍的に高める暮らし方は憧れになるストーリーにあります。
かなりの人数が、従来は当たり前だった結婚・子育てを回避したくなるのは自然です。
働き方改革に疑いの余地はありません。無駄な時間をカットするテレワークも必須です。
こうした暮らし方が進むほど、愛着の問題は深刻さを増します。
情報依存と情報負荷はワンセットで人と人のふれあいを疎遠にします。
愛着は子育てのもっとも重要なキーワードです。
少なくとも生後2年は、主体的に自らを「情報難民」に自分を置くぐらいの覚悟が必要になります。
テレワーク鬱
愛着不足と情報過多は反比例します。テレワーク鬱なる症状が仕事とプライベートの境目がわからなくなり長時間労働(情報過多)から絶え間なくストレスが生じてくるようになります。
ストレスは気分の問題ではなく、ストレスによってホルモンが過剰分泌されるのです。
テレワーク鬱によってシゾイド(スキゾイド)パーソナリティ障害が引き起こされることが解ってきています。
情報量を断捨離する
テレワークが悪いのではなく、適度な情報量を超えてしまっていることが問題なのです。
デスクの上に書類や本が山積みになった状態では、目を通すことも困難になります。
適正レベルに断捨離して、せっかく手にした時間を健康的に運用することが求められます。
その基準となるのがホルモンのバランスと「ホルモン分泌量」です。
「ホルモン分泌量」は人が豊かに暮らすための「愛情関係」とも深く関わっています。
ストレスホルモン・コルチゾール
ストレスの正体は睡眠不足、過労、人間関係、自然災害、食品添加物、大気汚染、光刺激、音刺激、有害化学物質、薬品など挙げだしたらキリがありません。決して精神的な問題ではありません。
しかし、ストレスそのものが悪いわけではありません。
そもそもストレスは危険を回避する作用であって、身体がストレス反応することで無事に生き延びることができています。
ストレスから身体を守っているのは、ストレスホルモンと呼ばれる副腎皮質ホルモンの「コルチゾール」です。
さまざまな病気や老化現象を防ぐコルチゾール
コルチゾールは、ストレスから体を守るホルモンですが、働きはそれだけではありません。
私たちの体内では、加齢に伴い、炎症が増えてしまいます。
それを放置しておくと、さまざまな病気や老化現象が起こります。
その炎症を鎮めてくれるのが、コルチゾールです。
ところが、ストレスが多い環境にいると、コルチゾールが盛んに分泌されます。
副腎
副腎は働きっぱなしになるので、やがて疲れ果てて、コルチゾールを十分に分泌できなくなります。
副腎から分泌されるホルモンは、50種以上あると言われています。
これらのホルモンは、血糖値の維持、免疫機能の調整、血圧の調整、神経系のサポート、骨の代謝など、生命の維持に欠かせない働きをしています。
ところが、副腎が疲れると、コルチゾールをはじめホルモンの分泌が悪くなります。
コルチゾールが減少すると鬱になる
疲労が慢性化すると、コルチゾール不足も慢性化して、高血圧、糖尿病、動脈硬化、メタボなどの生活習慣病や胃腸障害、不眠症にうつ、アレルギー疾患など、ありとあらゆる病気の発症リスクが高まります。
この後押しをしているのが、睡眠不足、さらに睡眠負債が心身を破壊します。
副腎が疲労すると、「最近やる気がなくて気分が落ち込む」といったうつ症状が起こります。
これに対して「男性ホルモン」や「女性ホルモン」の投与を勧める声がありますが、副腎の疲労を回復するものではないので、副腎のケアを優先すべきではないかと思います。
副腎の疲労回復対策
副腎の疲労回復対策その最大の対策が基本中の基本である「ストレスの軽減」「睡眠」「食生活」「運動」の改善です。
そうすると自然に副腎の疲労回復が進み、コルチゾール、メラトニンや成長ホルモンの分泌が良くなります。
食に関しては、大豆、青魚を中心に和食がおすすめです。
愛情ホルモン「セロトニン」
トリプトファンと深い関係がある、幸せホルモン「セロトニン」は脳内で作られます。
「セロトニン」は、幸せホルモンとも呼ばれますが、愛情ホルモンと呼ばれている自律神経のバランスを整えるホルモンです。
セロトニンは、必須アミノ酸「トリプトファン」が変換したものです。
必須アミノ酸とは、直接摂取しなければならないアミノ酸と言う意味です。
自律神経を整えるセロトニン
恋する女性の顔は、一瞬でわかるともいいます。
ホルモンの分泌が違うからですね。
恋するドキドキではなく、愛されている安心感でセロトニンが多く分泌されるからです。
愛するエネルギーより愛されるエネルギーですが、相関関係にあります。
「セロトニン」は、神経を刺激する「ノルアドレナリン」、やる気ホルモン「ドーパミン」と並び、感情や精神など人間の機能に深く関係する三大神経伝達物質のひとつです。
脳は緊張やストレスを感じるとセロトニンを分泌し、ノルアドレナリンやドーパミンの働きを制御し、自律神経のバランスを整えようとします。
朝、日光を浴びて、メラトニンをしっかり減らすことで、昼間のセロトニンを増やすことができるので活動的になり、夜にはメラトニンの分泌が増えて熟睡ができるようになります。
さらに愛されることで、愛情ホルモン、共感ホルモン、絆ホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌されます。
オキシトシン
オキシトシンは子育て、特に愛着関係を形成する上で重要すぎるホルモンです。
スキンシップはしていてもオキシトシンが分泌されていない状態では、愛情を伝わりません。
大坂なおみ選手は、プロテニス選手である前に人間だといいましたが、すべての母親は母親である前に人間であり、人間である前の哺乳動物なのです。
愛情は知識ではなく、もっとも動物的な感情であり、それはホルモンの力によってもたらされているのです。
なので戦後の貧しい生活環境、子育ての学問的な知識の不足があっても、愛着障害が現代より少ないのは子育てに適した環境下にあったからです。
オキシトシンの効果
オキシトシンの効果は次のように知られています。
- 子育てで重要な愛着関係が形成できる
- 幸せな気分になる
- 脳・心が癒され、ストレスが緩和する
- 不安や恐怖心が減少する
- 他者への肯定感・信頼感が強まる
- 社交的になり人と関わりたいと欲求が強まる
- 親密な人間関係を結びたい気持ちが高まる(自他肯定の構えが強まる)
- 学習意欲と記憶力向上
- 心臓の機能を上げる
- 感染症予防につながる
- 特に子育てに欠かせない愛着関係が形成できる点。
- 他者との関わりで自他肯定の構えが強まる点。
ホルモンは見えませんが、この二点には人生を根底から変える力があります。
さらに女性ホルモンが多いと、肌がプリプリになる、血管を柔らかくする、声を若々しくキレイに保つなど大事な点で良いことが多くなります。
オキシトシンが増える機会
オキシトシンの分泌が増える機会は、次のような場面です。
- ふれあい
- スキンシップ、マッサージ
- 見つめ合い
- 抱擁、ハグ
- キス
- 愛撫
- セックス
実際にこれらの場面の後の女性はいきいきしています。
いつまでも女性として見られる歓びは、子育てつまり健全な100年ライフに有効です。
逆に女性が不安になると、年齢に比例して女性として見られなくなる精神的な不安定。セックスレスは不安定に拍車をかけます。
正常なホルモン分泌を取り戻すシンプルな方法は、快適な睡眠と食事、愛情あるセックスです。
愛情のあるセックスはひとりではできません。お互いの心身が健康であって可能になります。たとえば「シゾイド(スキゾイド)パーソナリティ障害」にある人に望むことは困難です。
欲求がないわけではなく、あっても夫婦間の正常なセックスを避けようとします。むしろ風俗などの責任感が伴わないセックスの方が気楽なのです。気楽であることと満足感があるは同義語ではありません。親から過剰に支配された経験が妻との間での責任感に結びついてしまうので、心から自身を解放できなくなるのです。
なので妻(夫)から夫(妻)の心の痛みを積極的に受け入れて、リラックスできるセックスをルーティンワークにすると良いでしょう。
- 彼(彼女)のパジャマをつかむ
- 彼(彼女)の腕を持って自分の胸(局部)に押し当てる
- 優しくポンポンで安心させてあげる
- 頭を撫でて、彼(彼女)を甘えん坊にしてあげる
- 魔法の寝返りでキュンとさせる
- 胸に顔をうずめて上目づかい
- 指フェラをする
見逃しがちなのが、「慣れ」です。以上のようなテクニックは、100年ライフ、ワークシフト、テレワーク、赤ちゃんとの愛着の形成を豊かにする秘訣なのです。
慣れは、惰性であり、輝きを失います。
「どうせ、生きてるなら楽しくしないと損」という意識が、愛情につながります。
まとめ
テレワーク鬱から持続可能な自分を取り戻す26のメソッドをご紹介しました。
食事や睡眠、運動を入れるとまだまだ増えます。
デスクの前に座って無心に取り組むのではなく、30分毎の体を動かしましょう。
コメント