一人ひとりの個性を決めているのは、誰にもある親の心・大人の心・子どもの心の3つの心(=5つの心)の組み合わせのバランスの違いであることをお話しました。
- 厳格な父親の心(CP)=厳しい心。規律的で理想に傾斜する心。
- 保護的な母親の心(NP)=母性の心。優しく保護的な心。
- 社会的な大人の心(A)=大人の心。冷静で理知的な心。
- 従順な子どもの心(AC)=順応する、いい子を演じようとする心。
- 自由で無邪気な子どもの心(FC)=自由。天真爛漫で無邪気な心。
バランスの違いは脳の仕組みそのものにに根ざしたもので、異なる感情のあり方には異なる生理学的特徴があり、親との因果関係が大きく起因しています。
ここでは、誰もがより豊かなリーダーシップを育む方法についてお話しします。
目の前のことをひとつずつ
親の感情状態に問題があった場合は、子どもに害を及ぼします。子どもは生涯苦しむことになるので、成人後に気がついた場合は、バランスを整えるようにチャレンジをお勧めします。
だからといって、自由で無邪気な子どもの心を育むように、注意はしているけれど、なかなか修正できない場合も少なくありません。そんな場合は気にせずに、目の前の仕事や生活を一つずつ片付けるようにしてください。自己否定していると逆効果です。
ここでいう心とは感情の状態です。感情の状態は経験によって引き起こされるのはもちろん、純粋に内側から湧き上がってくるもので、川の泡のように刻一刻変化します。個人を形作り生活を支配している3つの心(=5つの心)のように、強い基調となっている「感情的特徴」と呼ばれる感情スタイルになっているものもあります。
社会的直感力
社会的直感力の高い人と低い人がいます。
駐車するにしても、駐車場の前に止めて平気な人と、入出庫することを想像して駐車場の前に止めない人がいます。前者は社会的直感力の低い人の典型です。
社会的直感力の高い人は、状況に応じた直感が働く人は、よく気がつく人と言われます。ボディー・ランゲージや、声の抑揚、顔の表情などがすんなり読めるのです。誰かを失って悲嘆に暮れている人が、そのことについて話したいと思っているのか、くだらない会話をして気を紛らわせたいと思っているのか、察することができます。
また、同僚が上司に怒られてなぐさめてほしいと思っているのか、一人にしておいてほしいのか理解することができます。
非言語的なサインに敏感な直感力
どれくらい非言語的なサインに敏感かというのは、人によって千差万別です。
人が出すサインに鈍感なら、プライベートやビジネスで、人間関係に支障が出ることがあるでしょうし、逆に、他人の感情に敏感だと、「共感」や「思いやり」をより深くもつことができます。社会的なサインを読み、理解することができてこそ、われわれは他者に反応することができるからです。
優秀な教師、セラピスト、その他医療福祉にかかわる人たちに共通する特長は、この「社会的直感力」の高さです。うまくリーダーシップが発揮できないと悩む人の多くが該当します。
なぜでしょう?自分にはうまくできないと直感してしまうからです。原因は二分化法思考による完璧主義です。「二分法的思考」は「有(ある)か、無(ない)か」というように二分化して考えることです。
「二分法的思考」は、二分法的思考尺度、白黒思考、完璧主義ともいいます。つまり無意識にして自動的に「両極端」な答えしかできない、解釈・判断として受け取れないという認知の歪みを指します。現実には、どちらでも良いとか、曖昧なグレーな考え方もあるものですが、こういった認識が持ちづらいのが。「二分法的思考」の特徴です。厳しい躾で歪められたことが原因です。本当の自分は抑圧することを嫌っているので、リラックスしてもっと
できなくてもOKなんだと自分を受け入れてあげましょう。そうすることで部下のダメな部分を受け入れ応援してあげることができるようになります。
シンプル・イズ・ベスト
人の心には数え切れないほどの思考が生じています。
一瞬一瞬、脳には膨大な数の情報が入ってきていることを思えば、自分が一つのものに注意を向けられるのは、奇跡的な処理能力というほかありません。
外にあるものであろうと自分のなかのものであろうと、ほんのちょっとの時間でも、何かに注目できるとすれば、それは「注意力」のおかげです。人聞は、二つのメカニズムを通して、注意を絞ることができています。一つは、注目した情報の信号強度を上げるメカニズム、もう一つは無視した情報の信号強度を下げるメカニズムです。これら2つのメカニズムのおかげで、脳を働かせて、直感力を生かせるのです。
まとめ
リーダーシップが苦手と思い込んでいる人ほど、社会的直感力が高いものです。直感力が高さが、自分いじめになっています。
克服もシンプルです。どのような仕事も、ひとつひとつ確実に乗り越えることで、自分を高めて肯定感を育てることができます。
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