禅とマネジメント|脚下照顧(きゃっかしょうこ)

脚下照顧の説明です 禅とマネジメント
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「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」って言葉、使ったことがありますか?
禅語「脚下照顧(きゃっかしょうこ)は、足元を見なさいと言う意味ですが、禅語として使用されているのですから、深い意味が込められていると思います。
「脚下照顧」という言葉を使わないまでも、「足元を見る」という機会は結構ありますよね。
たとえば芳しくない状態にあるときに、「足元を見る」と言いませんか。

「脚下照顧」という言葉は、よく使う言葉なので、逆に誰にでも使い易いように平たい言葉に置き換わって行ったのではないでしょうか。

では、リーダーシップに悩む人に、「脚下照顧」の意味を探ってみます。

禅語「脚下照顧」

禅とマネジメント

「脚下照顧」・・・・自分がぐらついていないか省みる

未来とは遠い彼方にあるのではなく、現在の延長にあります。

脚下照顧(きゃっかしょうこ)、いま立つ場所から一歩一歩、自分の脚で歩いていくのです。
人は誰もいま、この瞬間に立つ場所が、すべてのはじまりなのです。
いまできることをするしかないのですが、その足下がぐらついていては思う場所にたどり着くこともできません。
脚下照顧は未来に続く道を歩き続けるために、「足元を正す」ことを思い出すための言葉です。

一人の場合も、百人の場合も「脚下照顧」を貫く

脚下照顧/あなたは何者か?何をするべきで、何をしてはいけないのか。
Photo by Jared Sluyter on Unsplash 
一人の場合も、二人の場合も、百人の場合も、「脚下照顧」です。

もし、脚下照顧を忘れたカップルだったら、先々、どうなるでしょう。

脚下照顧を忘れた百人の会社の場合は、どうでしょう?

 

自分が何者で、何をするべきか。何をしてはいけないのか。

自分を知っていて、正しい歩みができるから、思う場所にたどり着くことができるようになります。

しかし、人は人によって生きる環境が違うので、誰でも同じというわけにはいきません。二人の場合でさえ、私とあなたは違うので、ふたりが揃って「脚下照顧」を心がけても、足元の違いは歴然です。

では、どうすれば「脚下照顧」の効果は現実になるのでしょう。

価値観の共有

脚下照顧/あなたは何者か?何をするべきで、何をしてはいけないのか。

ここではマネジメントする立場にある人、これからマネジメントする立場にある人を対象に進めます。

「脚下照顧」と書いた紙を百人全員に配ったとします。

配ったから、あとは「実践」を期待する。

しかし、この期待は、すぐに挫折します。
配った人が、配ったことで安心して「脚下照顧」を忘れてしまうからです。

「脚下照顧」は一次的には「人に言う前に自分を正せ」という意味ですが、なにを正すのでしょう。

その質問にどう答えるかは、自分次第です。「脚下照顧」の本質は、そこにあります。
紙に書いて配ったところで、安心して、人は、すぐに忘れます。

忘れる以前に、まず「気にも留めていない」のが現実です。

スティーブ・ジョブズ氏は、計画を実行に移してから、あらゆる部門で問題が発生するといいました。そこからが本当の戦いだと言います。(『ロスト・インタビュー スティーブ・ジョブズ 1995』)

「脚下照顧」の真髄

脚下照顧の説明

まず記憶してもらう必要があります。記憶する一番の方法はなんでしょう?

思い通りにならない未来をああだ、こうだと言っても実際には何も変わりません。
一番大切なのは今日、いまここ、この瞬間の一歩です。
いまできることを真剣に全力で取り組む。これが「脚下照顧」の真髄です。

ことを起こす時は、人の心をよく理解して、手を打たなければ意味をなさない。

「脚下照顧」でなければ、目指す目的を達成することはできないのです。

「脚下照顧」7つの足で自分を支える

脚下照顧の説明が続きます
重い体重を足で踏ん張って支えて立っているのが人間です。

だから脚下照顧・・・足元がぐらついていないか絶えず点検が必要になります。

しかし実際にはのしかかる体重を足で踏ん張って支えているわけではなく、うまく分散して筋肉と骨で支えています。

つまり足に委ねてはいても、実は足の負担を軽減するために、下半身全部を使っています。

同じように、人には、素晴らしい人生を過ごす上で、生活には七つの側面があります。

  1. スピリチュアル(霊的)
  2. 精神
  3. 仕事・職業
  4. 財政
  5. 家族
  6. 社会的な影響力(リーダーシップ)
  7. 肉体的なバイタリティ、ルックス

これらの側面は、誰に対しても、ひとつ、ひとつ意識することはなくても、自分の日常を支えています。

つまり「脚下照顧」という言葉を百人に浸透させるには、これら7つの側面から浸透させる必要があります。一人ひとりの足元は違うので、ひとりひとりからの「傾聴」が必須です。

あるがままのリーダーシップで、慈悲を持って、聴いてあげれば良いのです。

いま、ここ、この瞬間に揃えることは無理ですが、歩きながら整えるのです。

歩き方の改善をするために、足裏だけをトレーニングしても無理なのと同じです。

脚下照顧と書いた紙を配ることではなく、「脚下照顧」になりきってこそ、「脚下照顧」は浸透します。

これが「脚下照顧」なのです。

百人の「脚下照顧」を傾聴する

脚下照顧の説明、クライマックスです

Photo by inbal marilli on Unsplash
自らが「脚下照顧」を理解していれば、どうしますか?

7つの側面から、脚下照顧について、百人本人から、話してもらい、傾聴します。

どんな人にも価値観があります。

こうなればうれしい、楽しい、ハッピーということです。

人にはそれぞれ独自の優先順位があります。そこに「その人なり」が見えます。

傾聴するには、相手になりきらないと傾聴はできません。
つまり傾聴も脚下照顧の教えに習ったものなのです。
脚下照顧とは、足元からなりきること。自分の置かれた立場で、相手を知り、世界を感じる、「誰かのために」という気持ちが足元を照らします。

足元で立つとは、下半身全部で自分を支えて立つことですから、「全身全霊でなりきる」に通じます。

まとめ

禅とマネジメント

禅語「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」足元を見たら世界が変わる。

足元を見たら、なりきることを思い出し実践することで、価値観が変わります。

なにごとも「言って終わり」では、成就しません。
百人をマネジメントする、そのはじまりは自らの足元からです。
「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」・・・・勇気がもらえる素敵な言葉ですね。

 

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