「常に最悪の状態を予測、想定して、準備すること。」は PDCAのPの段階で、行うことです。
「常に最悪の状態を予測、想定して、準備する人と、そうでない人の違いが出る違いはどこにあるのでしょう?違いは働くひと改革にもなります。
PDCAの肝はPにあり
PDCAはみなさんご承知のように、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルを繰り返し行うことで、継続的な改善を進めるスキルです。
このサイクルをうまく循環させるポイントは、まず最初のPに障害となる要素と対策をきちんと織り込むことです。PDCAを機能させる必須条件です。
準備に誠実か、そうでないか
PDCAがうまく回せないというのは、そもそもPlan(計画)が雑なのです。
雑というのは、準備に誠実でないということです。
- どんな障害が起こりそうか、
- 起こる確率は?
- 起こるとどんな支障が起こるのか
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問題を未然に防ぐにはどうしたらいいのか
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それでも問題が起こればどうしたら最小限に防げるか
- 事前に潰しておき
- 起こらない対策する
- それでも起こったらどうするか
- それでも起こった場合の対策を具体的にしておく
考えるのが対策ではありません。
塾考を重ねた上に、具体的に手を打っておくのが対策です。
PDCAがうまく回せないリーダーは、想像力の欠如が支障になることが少なくありません。マネジャーになるまで時間がかかるのは、経験で学ばせるからです。
『一を聞いて十を知る』という言葉があるように、想像力が働くと時間は短縮できます。想像力は使うほど磨きがかかり洞察力に進化していきますが、『一を聞いて十を知る』ことができない人は、1から10までの間に理解できない点があるはずです。
理解できない点があれば障害となって1〜10までが、つながらなくなります。
すべての事象は「原因」=「結果」です。
物事が複雑になっていくのは「原因」=「結果」が新たな原因になってつみあがっていくからです。Plan(計画)がしっかりしているとは、因果関係が整って計画化できているということです。
理解できな点がなく、因果関係を細かく読めれば読めるほど、1〜10までがきれいに読み取れて整理整頓がついたから準備万端に整った→「計画ができた」というわけです。
先を読むからいまを忙しく動く
「もし、これがうまくいかなかったら、どんな問題が起こるのか」
因果関係が読めると先に先に手が打てるので問題を回避でき、余計な問題が起こらないので、忙しさを減らすことができます。
Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)の過程の手数が減りますが、暇になるという意味ではありません。
P(計画)がしっかりしているほどDo(実行)の段階では多忙を極めます。
反してデタラメなP(計画)を設計した人はDo(実行)の段階で暇です。口だけが忙しくなります。この段階で言わずとも「PDCAは難しい」という否定論が聞こえてきます。
最悪の状態を予測、想定して、準備すれば、支障は最小限に抑えられます。
PDCAがうまく回せないリーダーは、これをしないので、現象を追いかけることになり、すべてが後手になってしまいます。
原因=結果です。
いまある現象はリーダーが作ったのです。
リーダーの違いが現象の違いに出ます。
電気会社のトップを勤めた人が食品会社のトップもやれるのは、こういう経験を多く積んでいることも一因です。
準備に誠実な人、誠実でない人
最悪の状態を予測、想定して、準備すれば、支障は最小限に抑えられますが、規模が拡大する、あるいは今までやったことのない未知のことに挑戦すると、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)も複雑になります。
Do(実行)の結果、Check(評価)→Action(改善)は混乱、多忙を極めます。
それでもPDCAのサイクルを回すのはルーティーンワークなので、揺るぐことはなく感情的になることもありません。
いつでも準備(PもCも準備です)に余念のないリーダーは、喜びを分かち合うこと(=従業員育成&ステークホルダーの生活を守る)に誠実なので、具体的な行動に熱心さが浮き彫りになります。
喜びを分かち合うことに夢中な人は努力とは思わないのです。
夢中の底辺にあるのは「愛」です。
人間の幸せには2種類ある
誰でもなんらかの苦痛と共に生きています。
苦痛を小さくしたいので、幸せを求めます。
ひとつは一時的な幸せ
情緒的な苦痛を数時間鎮めてくれます
どちらかといえば自分の外側にあります。
もうひとつは長く続く幸せ
苦しみの底にある原因を取り除くことで得る幸せ
自分の内側にある苦痛を取り除くので、内面的な作業の結果で得られます。
一般的に一時的な幸せを求める傾向が強いようです。
それは「状態」で認識しやすいので手応えが簡単に理解できるからです。
一方の長く続く幸せは「方向性」で感じるものなので、時には苦でしかない場合も少なくありません。
たとえば美味しいものを食べたり、性愛で得られる快感と山登りで得られる歓びを比べてみたら、簡単に理解できます。
ネガティブに捉えると、山の頂きに向かって歩き続けるのは大半が苦痛の連続です。
しかしポジティブにとらえなおすと、一時的な幸せを再生産するためには、気が遠くなるほどの繰り返しが必要であるのに対して、永続的な幸せを得るとそこに心を休めることができます。
喜びを分かち合うことから生まれる様々は発展はさらなる分かち合いに拡大できます。
状態にこだわる人と方向性にこだわる人。
準備に誠実な人、誠実でない人の違いの原因になっているのではないでしょうか?
まとめ
リーダーには2種類います。
状態にこだわるリーダーと方向性にこだわるリーダー。
幸せにも2種類にあります。
一時的な幸せ、永続的な幸せ。
人は認識しやすい一時的な幸せを求める傾向が強いようです。
だから状態にこだわるリーダーの方が受けが良いようです。
そこで誤解が発生しますが、心和やかに暮らせるには永続的な幸せが大切です。
ただ幸せの実感が乏しく、苦痛の実感が強いので、語りかけ育てるコミュニケーション能力がリーダーに問われるようになります。細かく説いて気づかせる作業が必要です。
リーダーが身を以て体験する面倒くささはPDCAにも生きてきます。
相互依存の関係にあるようです。
準備に誠実な人、誠実でない人の違いの原因になっているのではないでしょうか?
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